[自宅レビュー!]
遅れてきた本命⁉ ハイエンド一体型AVアンプ
マランツ「Cinema30」
どっしりた中低域に支えられたキラリと光る精確かつ繊細な表現力
覆面レビュワー「ラビットBW」です。今回も消費者目線で忖度なしに「白黒」判定すべく、自宅リポートします。
昨年2023年はハイエンドAVアンプが大豊作。デノンから一体型「AVC-A1H」、マランツからはセパレートの「AV10」+「AMP10」が登場し、ハイエンド志向のアバックユーザーの多くが「AVC-A110」や「AVC-X8500H」、あるいは「AV8805A」や「AV8805」から乗り換えたのではないでしょうか?
そんな中、ここに来てマランツから海外で既に話題となっていた一体型ハイエンド「Cinema30」が登場してきました。100万円のコンビ「AV10」+「AMP10」をギュッと凝縮したというから実は超お買い得なのでは⁉との期待を胸に、試聴開始です!
[特徴]
●「Cinema30」のポイント
・AV10+AMP10を凝縮した、マランツ一体型AVアンプの旗艦モデル
・単体で11ch、外部アンプ併用で13chまで再生可能
・室内音響最適化ソリューションDirac Live(ディラック)対応
●実際使ってみたら凄かった!
・しっかりした電源に支えられた深い味わいのステレオ基本音質
・ピュアオーディオっぽい滑らかかつどっしり落ち着いた中低域
・キラリと光る精確かつ繊細なアレンジ表現力
■デザイン あの「スサノオ」よりデカい
「Cinema30」はハイエンドAVプリ「AV10」と筐体を共有しているのかと思いきや、そうではありません。背の高さが257mmと、「AV10」の252mmより5mm高い専用の筐体です。当時はすごい背が高いと思っていたパイオニア「SC-LX90」でも247mmでしたから、実はなかなかのサイズです。重量は19.4kgで、「AV10」の16.8kgより重い。ちなみに、16chパワーアンプ「AMP10」は19.8kg。「AMP10」がクラスDアンプなのに対し、「Cinema30」はアナログアンプで、天板の隙間からは、中央にでかいトロイダルトランス、左右にパワーアンプのヒートシンクが見えます。

日本国内ではカラーリングはブラックのみですが、フィボナッチ関数を思わせるメッシュ柄の入った近年のマランツデザインを踏襲。上位モデルらしく2枚構造のフロントパネルのスキマから間接照明が光ります(ディスプレイと連動し「DIMMDER」ボタンで調整可能、「Pure Direct」にすると消滅)。

おなじみの丸窓「メインディスプレイ」のほか、下のパネルを開けば入出力信号やデコーダー表示など詳細情報を示す「サブディスプレイ」が。「ステイタス」ボタンを押せばサンプリング周波数も。設定ボタンや十字キーの類いもここに隠されています。

HDMIは7入力3出力。13.1chプリアウトなどアナログ入出力はアンバラのみ。USB-DAC機能はなし(背面USB端子はFire Stickなどへの電源供給用)。コンポーネントは残されています。

■内蔵する11chパワーアンプをどう割り振るか?
せっかく一体型なので、わたしが普段やっているフロント2chをオーディオ用アンプと共用するといったことはやらず、この1台で完結させましょう。
「スピーカーレイアウト」設定メニューを見ると、アンプをどう割り当てるか選択肢が出てきます。代表的な例は次のようなところでしょう。「AMP10」のように自由にアサインすることはできず、BTLも不可。
(1)全chシングルワイアリング

(2)フロント2chをバイアンプにして、あとはシングル・・・「9.1ch(Bi-Amp)」

(3)フロント2chを外部アンプ、ほかをシングル・・・「13.1ch」

(4)内蔵アンプをできるだけバイアンプ・・・10chを使う「5.1ch Full Bi-Amp」

天井スピーカーを使ったDOLBY ATMOSはやらないけどHDオーディオ黎明期の「AVC-A1HD」から乗り換えるような人は、(4)「5.1ch Full Bi-Amp」なんて設定を選べば内蔵アンプを有効活用できる訳です。
昨年2023年はハイエンドAVアンプが大豊作。デノンから一体型「AVC-A1H」、マランツからはセパレートの「AV10」+「AMP10」が登場し、ハイエンド志向のアバックユーザーの多くが「AVC-A110」や「AVC-X8500H」、あるいは「AV8805A」や「AV8805」から乗り換えたのではないでしょうか?
そんな中、ここに来てマランツから海外で既に話題となっていた一体型ハイエンド「Cinema30」が登場してきました。100万円のコンビ「AV10」+「AMP10」をギュッと凝縮したというから実は超お買い得なのでは⁉との期待を胸に、試聴開始です!
[特徴]
●「Cinema30」のポイント
・AV10+AMP10を凝縮した、マランツ一体型AVアンプの旗艦モデル
・単体で11ch、外部アンプ併用で13chまで再生可能
・室内音響最適化ソリューションDirac Live(ディラック)対応
●実際使ってみたら凄かった!
・しっかりした電源に支えられた深い味わいのステレオ基本音質
・ピュアオーディオっぽい滑らかかつどっしり落ち着いた中低域
・キラリと光る精確かつ繊細なアレンジ表現力
■デザイン あの「スサノオ」よりデカい
「Cinema30」はハイエンドAVプリ「AV10」と筐体を共有しているのかと思いきや、そうではありません。背の高さが257mmと、「AV10」の252mmより5mm高い専用の筐体です。当時はすごい背が高いと思っていたパイオニア「SC-LX90」でも247mmでしたから、実はなかなかのサイズです。重量は19.4kgで、「AV10」の16.8kgより重い。ちなみに、16chパワーアンプ「AMP10」は19.8kg。「AMP10」がクラスDアンプなのに対し、「Cinema30」はアナログアンプで、天板の隙間からは、中央にでかいトロイダルトランス、左右にパワーアンプのヒートシンクが見えます。
日本国内ではカラーリングはブラックのみですが、フィボナッチ関数を思わせるメッシュ柄の入った近年のマランツデザインを踏襲。上位モデルらしく2枚構造のフロントパネルのスキマから間接照明が光ります(ディスプレイと連動し「DIMMDER」ボタンで調整可能、「Pure Direct」にすると消滅)。
おなじみの丸窓「メインディスプレイ」のほか、下のパネルを開けば入出力信号やデコーダー表示など詳細情報を示す「サブディスプレイ」が。「ステイタス」ボタンを押せばサンプリング周波数も。設定ボタンや十字キーの類いもここに隠されています。
HDMIは7入力3出力。13.1chプリアウトなどアナログ入出力はアンバラのみ。USB-DAC機能はなし(背面USB端子はFire Stickなどへの電源供給用)。コンポーネントは残されています。
■内蔵する11chパワーアンプをどう割り振るか?
せっかく一体型なので、わたしが普段やっているフロント2chをオーディオ用アンプと共用するといったことはやらず、この1台で完結させましょう。
「スピーカーレイアウト」設定メニューを見ると、アンプをどう割り当てるか選択肢が出てきます。代表的な例は次のようなところでしょう。「AMP10」のように自由にアサインすることはできず、BTLも不可。
(1)全chシングルワイアリング
(2)フロント2chをバイアンプにして、あとはシングル・・・「9.1ch(Bi-Amp)」
(3)フロント2chを外部アンプ、ほかをシングル・・・「13.1ch」
(4)内蔵アンプをできるだけバイアンプ・・・10chを使う「5.1ch Full Bi-Amp」
天井スピーカーを使ったDOLBY ATMOSはやらないけどHDオーディオ黎明期の「AVC-A1HD」から乗り換えるような人は、(4)「5.1ch Full Bi-Amp」なんて設定を選べば内蔵アンプを有効活用できる訳です。
■ファーストインプレッション…「フィルター」使いこなしもキモ
いつも朝イチにやってくる元気な宅急便のお兄ちゃんのおかげで、午前中から音出し。
スピーカー構成は、ATMOS最少構成4.1.2。まずは敢えて(1)のシングル接続して、基礎力をチェックしてみましょう。素の音を聴くために自動音場補正Audysseyは掛けず、マニュアルで距離とディレイを設定します。全スピーカー「フルレンジ」、ビデオスケーラー「オフ」、エコモードも「オフ」。

サウンドモード「Pure Direct」(ディスプレイオフ)で、2chオーディオを聞きますと、「Direct」との音の違いは正直分かりませんでした。それだけ素の完成度が高いということでしょう。
大貫妙子のDSD2.8ファイル「Tema Purissima」を「DSD Direct」で聴くと、まずなんといっても中低域がどっしりとして、ヌケがよく、ベースラインの音階が明瞭なのが分かります。
一方で高音域は、艶のある弦やハープの響き、アクセントになるシンバルやトライアングルが曖昧にならずよく聴き取れますが、シャカシャカしたところが一切ありません。ヴォーカル曲とは言え、実は結構多くの要素が入っている曲ですが、これだけ解像してくれたらマスタリングエンジニアも納得というところでしょう。ちなみにこのモードでは、「サウンドパラメーター」はグレイアウトして使えません。

ちなみに、こういった音楽ものでは「DACフィルター」をぜひ弄ってみていただきたい。初期値は「フィルター1」ですが、ベンチマークテスト測定時のオススメ設定だという「フィルター2」にすると、弦の響きやヴォーカルなどが鮮やかに浮かび上がるイメージで、こちらが好みという人も多そう。一方、のちに視聴するアクション系の映画では、切れ味鋭い「フィルター1」が良さそうです。
このように、さらっとシングル接続で聴いてみても、拙宅の独Accusitc Artsプリメインアンプ「POWER1MK3」のパワー部と、音色の違いこそあれ、ドライブ力でさほど差を感じませんでした。

自動音場補正Audesseyを試すも拙宅では期待した効果が得られず、結局手動で設定
■フロントバイアンプに挑戦!より見通しよい方向へ
シングル接続に気を良くし、スピーカー設定から「9.1ch(Bi-Amp)」を選択し、フロント2chをバイアンプを試します。

Cinema30の出力端子は、フロントLRのほか、右のはずれにある「HIGHT3/FRONT WIDE」を使います
全体的な印象が変わるわけではありませんが、より高音域の雑味が減って見通しが良くなるのは確か。バイアンプの一般的な傾向が現れます。シングルワイアリングでの接続でも十分ですし、ケーブルも2倍必要になるので無理にやらなくてもいいですが、内蔵パワーアンプを持て余すのがイヤな人は試してみるといいでしょう。「Cinema30」はそもそもアナログアンプなので違うのですが、個人的には「AMP10」のようにBTLができるといいなと思いました。

スピーカー端子側のジャンパー線を外し忘れないように!
■ライブBD最高! 「LEF遅れ」にもしっかり対応して引き締まったベースライン
ではいよいよマルチチャンネル再生を試しましょう。
まず、ライブBD『Sound Stage Peter Cetera with Amy Grant』を再生します。
一聴すると豊かな低音。でも、さきほどまでの2chステレオの印象に比べると、ベースラインがなんだかふんわりモッコリ。
そこで思いあたったのが、以前「サブウーファーの使いこなし」で触れた、LFE遅れ。
●関連記事 LFE用サブウーファーの使いこなし
https://www.avac.co.jp/buy/42065/vol.41
「メニュー」「サウンド」から「低音の位相補正」を選び、聴きながら値を調整します。このソフトではLFEの遅れを初期値の0から8msまで補正(上限16ms)。するとあら不思議、カメラのフォーカスが合うように、ベースラインが引き締まって音階もリズムもクッキリ浮かび上がってきました。やっぱりズレていたんですね。


ちなみに位相がピッタリ合ってしまうと音量過多になってしまいますので、必要なら適宜レベルを下げましょう。

ここでは最初の「スピーカー設定」で入力した設定値が予め反映され、そこから弄っていく。「スピーカー設定」にまで遡ることなく調整できて便利
これはいい!上質な低音となり、弦楽器も管楽器も滑らかな出音、タンバリンやトライアングルもキレイに回って画面の両脇外まで広がり、ライブ感抜群です。男声のヌケまでも良くなるから不思議です。この機能は「Pure Direct」「Direct」でも効きますので、音楽ものを再生するときはぜひ。音楽ライブを聴くときは「低音の位相補正」を使いこなすといいですよ!
いつも朝イチにやってくる元気な宅急便のお兄ちゃんのおかげで、午前中から音出し。
スピーカー構成は、ATMOS最少構成4.1.2。まずは敢えて(1)のシングル接続して、基礎力をチェックしてみましょう。素の音を聴くために自動音場補正Audysseyは掛けず、マニュアルで距離とディレイを設定します。全スピーカー「フルレンジ」、ビデオスケーラー「オフ」、エコモードも「オフ」。
サウンドモード「Pure Direct」(ディスプレイオフ)で、2chオーディオを聞きますと、「Direct」との音の違いは正直分かりませんでした。それだけ素の完成度が高いということでしょう。
大貫妙子のDSD2.8ファイル「Tema Purissima」を「DSD Direct」で聴くと、まずなんといっても中低域がどっしりとして、ヌケがよく、ベースラインの音階が明瞭なのが分かります。
一方で高音域は、艶のある弦やハープの響き、アクセントになるシンバルやトライアングルが曖昧にならずよく聴き取れますが、シャカシャカしたところが一切ありません。ヴォーカル曲とは言え、実は結構多くの要素が入っている曲ですが、これだけ解像してくれたらマスタリングエンジニアも納得というところでしょう。ちなみにこのモードでは、「サウンドパラメーター」はグレイアウトして使えません。
ちなみに、こういった音楽ものでは「DACフィルター」をぜひ弄ってみていただきたい。初期値は「フィルター1」ですが、ベンチマークテスト測定時のオススメ設定だという「フィルター2」にすると、弦の響きやヴォーカルなどが鮮やかに浮かび上がるイメージで、こちらが好みという人も多そう。一方、のちに視聴するアクション系の映画では、切れ味鋭い「フィルター1」が良さそうです。
このように、さらっとシングル接続で聴いてみても、拙宅の独Accusitc Artsプリメインアンプ「POWER1MK3」のパワー部と、音色の違いこそあれ、ドライブ力でさほど差を感じませんでした。
自動音場補正Audesseyを試すも拙宅では期待した効果が得られず、結局手動で設定
■フロントバイアンプに挑戦!より見通しよい方向へ
シングル接続に気を良くし、スピーカー設定から「9.1ch(Bi-Amp)」を選択し、フロント2chをバイアンプを試します。
Cinema30の出力端子は、フロントLRのほか、右のはずれにある「HIGHT3/FRONT WIDE」を使います
全体的な印象が変わるわけではありませんが、より高音域の雑味が減って見通しが良くなるのは確か。バイアンプの一般的な傾向が現れます。シングルワイアリングでの接続でも十分ですし、ケーブルも2倍必要になるので無理にやらなくてもいいですが、内蔵パワーアンプを持て余すのがイヤな人は試してみるといいでしょう。「Cinema30」はそもそもアナログアンプなので違うのですが、個人的には「AMP10」のようにBTLができるといいなと思いました。
スピーカー端子側のジャンパー線を外し忘れないように!
■ライブBD最高! 「LEF遅れ」にもしっかり対応して引き締まったベースライン
ではいよいよマルチチャンネル再生を試しましょう。
まず、ライブBD『Sound Stage Peter Cetera with Amy Grant』を再生します。
一聴すると豊かな低音。でも、さきほどまでの2chステレオの印象に比べると、ベースラインがなんだかふんわりモッコリ。
そこで思いあたったのが、以前「サブウーファーの使いこなし」で触れた、LFE遅れ。
●関連記事 LFE用サブウーファーの使いこなし
https://www.avac.co.jp/buy/42065/vol.41
「メニュー」「サウンド」から「低音の位相補正」を選び、聴きながら値を調整します。このソフトではLFEの遅れを初期値の0から8msまで補正(上限16ms)。するとあら不思議、カメラのフォーカスが合うように、ベースラインが引き締まって音階もリズムもクッキリ浮かび上がってきました。やっぱりズレていたんですね。
ちなみに位相がピッタリ合ってしまうと音量過多になってしまいますので、必要なら適宜レベルを下げましょう。
ここでは最初の「スピーカー設定」で入力した設定値が予め反映され、そこから弄っていく。「スピーカー設定」にまで遡ることなく調整できて便利
これはいい!上質な低音となり、弦楽器も管楽器も滑らかな出音、タンバリンやトライアングルもキレイに回って画面の両脇外まで広がり、ライブ感抜群です。男声のヌケまでも良くなるから不思議です。この機能は「Pure Direct」「Direct」でも効きますので、音楽ものを再生するときはぜひ。音楽ライブを聴くときは「低音の位相補正」を使いこなすといいですよ!
■映画鑑賞 どっしりした中低域に精確かつ繊細なアレンジが光る
次に映画鑑賞に移ります。4K Blu-ray「トップガン マーヴェリック」を視聴します。映画作品では「オーディオ」「低音の位相補正」等を元に戻すのをお忘れなく。
すると、「Cinema30」の媚びてないところが如実に表れます。低音域や方向感のシャープな切れ味による立体効果よりも、どっしりとした中低域に支えられた基本音質と、ほんとうに繊細に加えてある効果音を丁寧に余すことなくきちんと解像してみせるところに感心しました。
ちなみに「シネマEQ」は、映画のセリフの高域成分を和らげるモードですが、効果は極端ではなく、ほんの釉薬程度なので、好みで選んでも音質に差し支えなさそうです。なお、サウンドモードによってはグレイアウトして使えません。
次に映画鑑賞に移ります。4K Blu-ray「トップガン マーヴェリック」を視聴します。映画作品では「オーディオ」「低音の位相補正」等を元に戻すのをお忘れなく。
すると、「Cinema30」の媚びてないところが如実に表れます。低音域や方向感のシャープな切れ味による立体効果よりも、どっしりとした中低域に支えられた基本音質と、ほんとうに繊細に加えてある効果音を丁寧に余すことなくきちんと解像してみせるところに感心しました。
ちなみに「シネマEQ」は、映画のセリフの高域成分を和らげるモードですが、効果は極端ではなく、ほんの釉薬程度なので、好みで選んでも音質に差し支えなさそうです。なお、サウンドモードによってはグレイアウトして使えません。
■Apple TVの高品質映像作品「EARTH SOUND」 水しぶきに質量を感じる!
次にHDMIをApple TVに切り替え、ストリーミングを楽しみます。
ミュージックビデオTaylor Swift「fortnight」は、2chでも分厚いベースラインと、一切キンキンすることのないクリーンなヴォーカル、フワリと包み込む幻想的な世界観で、きわめて上質でウェルバランスなサウンドを奏でてくれました。
Apple TVオリジナルコンテンツ「EARTH SOUND」(ATMOS)は、聴き手を包み込む効果音からして低音が深く響き、オーストラリアの森の響きを広い空間で描きだす作品です。
これを「Cinema30」で再生すると、様々な動物の鳴き声も、映像でアップになると音も至近となり、移動感はもちろん、遠近感の違いを見事に描き分けます。
鳥がメスを誘うダンスでは、レーザー銃のような衝撃音が鮮やか。水面を漂う葉の目線で滝を落ちるシークエンスでは、まるで自分がスプラッシュマウンテンに乗っているかのように、轟音とともに無数の水しぶきを浴びる心地がします。子どもたちを守るためワニが岸に上がって威嚇するシーンは、「グワッ!」という開口音がリアルで思わず仰け反ること請け合い。スピード感というよりも、音に質量を感じる、そんなサウンドです。
もっともリアルで鳥肌が立ったのは、蜘蛛のシーン。糸が捉える波動が映像とリンクする形で音で表現されるのですが、森を歩く大型獣の歩行音と思われる重低音、糸を移動するときの弦を弾くような音、捕食する際の咀嚼音まで非常にリアルです。「鬼滅の刃」もきっと音がエグいんだろうなと想像。
ライブものもそうですが、こういったネイチャーものは、ごまかしが利かない分、基礎体力がしっかりしたアンプでないと興ざめします。あるいみ地味ですが、基本音質の造り込みにいかに腐心したかが深くうかがえました。
今回は試せませんでしたが、Dirac Liveを掛けてさらに部屋とのマッチングをよくしたら、包み込まれる印象がさらに高まることは間違いないと思われます。
■総評 DENON陣営に負けない大人の為のハイエンド一体型アンプ
前述しましたが、最近はD&Mの中ではDENONチームがAVアンプでは勢いがありました。そんな中でmarantzチームが「ここらへんでビシッといい仕事しますか。」とばかりにmarantzチューンが施されたハイエンド投入!といった印象で、marantzAVアンプらしい一投入魂の完成度の高いモデルでした。
次にHDMIをApple TVに切り替え、ストリーミングを楽しみます。
ミュージックビデオTaylor Swift「fortnight」は、2chでも分厚いベースラインと、一切キンキンすることのないクリーンなヴォーカル、フワリと包み込む幻想的な世界観で、きわめて上質でウェルバランスなサウンドを奏でてくれました。
Apple TVオリジナルコンテンツ「EARTH SOUND」(ATMOS)は、聴き手を包み込む効果音からして低音が深く響き、オーストラリアの森の響きを広い空間で描きだす作品です。
これを「Cinema30」で再生すると、様々な動物の鳴き声も、映像でアップになると音も至近となり、移動感はもちろん、遠近感の違いを見事に描き分けます。
鳥がメスを誘うダンスでは、レーザー銃のような衝撃音が鮮やか。水面を漂う葉の目線で滝を落ちるシークエンスでは、まるで自分がスプラッシュマウンテンに乗っているかのように、轟音とともに無数の水しぶきを浴びる心地がします。子どもたちを守るためワニが岸に上がって威嚇するシーンは、「グワッ!」という開口音がリアルで思わず仰け反ること請け合い。スピード感というよりも、音に質量を感じる、そんなサウンドです。
もっともリアルで鳥肌が立ったのは、蜘蛛のシーン。糸が捉える波動が映像とリンクする形で音で表現されるのですが、森を歩く大型獣の歩行音と思われる重低音、糸を移動するときの弦を弾くような音、捕食する際の咀嚼音まで非常にリアルです。「鬼滅の刃」もきっと音がエグいんだろうなと想像。
ライブものもそうですが、こういったネイチャーものは、ごまかしが利かない分、基礎体力がしっかりしたアンプでないと興ざめします。あるいみ地味ですが、基本音質の造り込みにいかに腐心したかが深くうかがえました。
今回は試せませんでしたが、Dirac Liveを掛けてさらに部屋とのマッチングをよくしたら、包み込まれる印象がさらに高まることは間違いないと思われます。
■総評 DENON陣営に負けない大人の為のハイエンド一体型アンプ
前述しましたが、最近はD&Mの中ではDENONチームがAVアンプでは勢いがありました。そんな中でmarantzチームが「ここらへんでビシッといい仕事しますか。」とばかりにmarantzチューンが施されたハイエンド投入!といった印象で、marantzAVアンプらしい一投入魂の完成度の高いモデルでした。
CINEMA 30 marantz [マランツ] 11.4ch AV サラウンドアンプ 下取り査定額20%アップ実施中!
¥636,399
税込
商品コード: CINEMA30FB
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