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[自宅レビュー!]
多機能アクティブスピーカーシステム
サイズを超えたヴォイシングとスケール感ハリのある元気なJBLサウンドの2ウェイ
JBL4300シリーズといえば、1977年の4343、82年の4344、そしてCDの登場を経た96年にそのMK2が登場して「家庭用」モニタースピーカーとしての地位を定着させました。その前のブルーバッフルJBLスタジオモニターというと、やや暗めの音色で口の動きまで見えるほど神経質で押し出し強く輪郭のクッキリした声と、太めの量感ある低域のイメージがあります。わたし自身は、4425MK2のあと、4430、4425、4401を使ったサラウンドを長らく使っていた時期があり、慣れ親しんだブランドです。4305のアクティブスピーカーとは、果たしてどんなサウンドなのでしょうか?

●製品のポイント
・JBLブルーバッフルモニタースピーカーのアクティブヴァージョン
・コンパクトなブックシェルフスタイル
・192kHz対応のネットワークプレーヤー、USB DAC、DAC機能を内蔵
●使ってみたら凄かった
・JBLらしい輪郭に現代的スピード感が加わったメリハリサウンド
・POPSからクラシックまで変幻自在なキャラクター
・コンパクトなデスクトップとは思えないパワフルサウンド
物理的に繋げばすぐに使える、簡単セットアップ

4305Pのユニット構成は、25mmアドバンスドHDIホーン搭載Teonexリング型振動板コンプレッションドラーバーと、13cmキャストフレーム付きピュアパルプブラックペーパーコーンウーファーの2ウェイ。クロスオーバーは1750Hzで、再生周波数帯域は45Hz〜25kHz(-6dB)…と言われると目がチカチカしそうですが、使う側からすればそんなユニット構成に最適なアンプとDAC、プリアンプが内蔵されているので、どうコンポーネントを組み合わせればいいのかなど思い悩む必要がありません。


セットアップも簡単で、2つのスピーカーを電源に繋ぎ、2本をイーサネット然とした「デジタルリンク」ケーブルで繋ぎます。工場出荷時にペアリングは済んでいるので、物理的に繋げばすぐに音が出ます。



本体は操作系が集まっている「プライマリースピーカー」(写真)とそこから信号をもらってもう1chを鳴らす「セカンダリースピーカー」で構成されています



「プライマリースピーカー」をRchにするかLchにするかは、背面のディップスイッチで便利な方にすぐ切り替えできます

さっそくシアター視聴をしてみましょう。スクリーン前のAVラック上に置き、テレビ代わりのプロジェクターLG HU85LSの音声を光デジタルで4305Pに繋ぎます。4305PはリニアPCM信号しか受け付けないので、送り出し側のUH85LSの音声出力もPCMにします。



すぐさま明らかになった音の傾向は、4344MK2や4425MK2以降の「家庭用」モニタースピーカーらしい大らかさをもちながらも音域ではさらに上下にワイドレンジ化して、適度なスピード感を持っています。内蔵アプリでAmazon Primeビデオを再生すると、ダイアローグがくっきり。ホーン型の特徴を残しながら、しかし神経質過ぎません。13cm径コーン型ウーファーはJBLらしいピュアパルプ。サイズからして量感を求めることはできないように思えましたが、ウーファーにはパワーアンプ150Wのうち125Wがあてられ強力にドライブしていることもあって、なかなかパワフルです。

ただしブックシェルフスピーカーの場合、こうした印象は設置位置によって全然違います。

床からの反射を抑えるためしっかりしたスタンド等に置き、できる限り耳の高さに高域用ドラーバーが来るようにするのが重要です。絶対、無造作に床に置いてはなりません。

「デスクトップ」ということで机の上に置くこともあろうかと思いますが、その場合でも耳に向かって仰角を付けたり、デスクから持ち上げて机の天板の反射をできるだけ避けるようにすると聴きやすくなります。4305Pではそうした場合に備え「バスコンター」ディップスイッチがあり、「−3dB」にすることで対応することもできます。



4305Pのウーファーユニットができるかぎり上に付いているのはそういう理由です。かつてのスタジオモニターは壁やスタジオコンソールに埋め込まれたり吊られたりして反射を抑える配置が施される前提で作られていたため、ユニットがバッフルの下ギリギリについていてもよかったのです。
純正スタンドでなくAVラックなどの家具の上に置くときは、共振しないしっかりした素材か、内容物が詰まって箱鳴りがしないかなど注意が必要です。もっとも、4305Pはオーディオボードのように底板がしっかり補強されており、置き場所にはあまり左右されません。
             ネットワークプレーヤー機能もチェック メリハリあるPOPSからクラシックまで変幻自在

続いて、4305Pを有線LANでつなぎ、iPhoneアプリApple Musicで音楽を聴きます。

ドラムンベース基調のK-POPでは、パワフルな打ち込みのベースが弾むようにリズムを刻むのが印象的。レコードのスクラッチノイズに模したエフェクトも詳らかで、ブラインドテストをしたらこんな小さなスピーカーが鳴っているとは誰も思わないでしょう。

調子に乗って、楽器にヴォーカルが埋もれがちなバンドサウンドはどうか。J-POPバンドBUMP OF CHICKEN「天体観測」では、ギターやドラム、ベースをバックにしっかりヴォーカルが浮かび上がるマスタリングの狙い通りでありながら、爽快で心地よい気持ちになります。

次に、ネットワークプレーヤー(LINNのKinsky)を使って宅内NASのファイルオーディオ再生をしてみます。

クラシックは苦手かと思いきや、シャッキリした性格が一変。映画音楽も手掛ける作曲家/ピアニストAlbert Guinovart(アルベルト・グイノヴァルト)の自作自演曲「Piano Concerto No.1」では、オーケストラをバックにロマンティックな情景を円やかに描きあげました。



クラシックを題材にしたサスペンス映画。壮大なスケールと緊張感で表現

これはクラシックを題材にした映画も素晴らしいに違いないと、ふたたびプロジェクターLG UH85LSからの光接続で、UHD BD『TAR/ター』を観賞。ケイト・ブランシェットがベルリンフィルの主席指揮者に成り上がるものの次第に狂気にさいなまれていく物語ですが、滑らかな演奏シーンはもちろん、場面毎に異なる空間の響き、主人公の気に障る小さい音、バックで唸り続ける不気味な暗騒音が、観る者の不安を煽ります。こんな口径のスピーカーでもこれらをきちんと再現できることに驚きました。
USB DACで卓上モニターとして。クラクラする定位感

最後に卓上でモニタースピーカーとしての音をチェックします。
映画であれだけのスケール感でしたので、ニアフィールドは実はちょっと心配でした。ところがSNと定位がよいので、ニアフィールドも結構イケます。


Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)のドラムとMika Stoltzman(ミカ・ストルツマン)のマリンバらが紡ぐトリビュートジャズアルバム「Spirit of Chick Corea(スピリット・オブ・チック・コリア)」では、メンバーの丁々発止のやりとりもよく見えて定位感もバッチリ。音像はさきほどの120インチ大画面より小さく平面的になりますが、逆にそれぞれの音の位置や音色が詳らかになり、まさにモニタースピーカーです。4305Pの内蔵DACは192/24ビットまででDSD非対応ですので、大貫妙子「PURISSIMA」(DSD64)はMacBook Air内でAudirvanaを使ったPCM再生。ヴォーカルがLRスピーカーの中心にしっかり定位しています。



※4305PはFLAC192/24まで



リモコンははじめに本体とBluetoothでペアリング設定する必要あり。十字キーの上下が音量。本機は10分以上信号がないと自動的にスタンバイモードになり、信号の入力によって再びONに。ただし、光とUSBでは入力に反応せず、スタンバイから復帰するには電源か入力切り替えボタンを押す必要があります。
デザインはクラシカルだが中身は立派なハイスピードパワフルな現代型


現代的になったとはいえ、他のブランドと比べるとやはり冒頭に述べたJBLっぽさが節々に香ります。かといって、ジャズやロックが得意でクラシックは苦手等といった得手不得手は感じません。また、デスクトップモニターというには十分パワフルで、テレビサイドにメインスピーカーとして使っても遜色ない表現力を備えています。ただ、KEFのLS50Wirelessもそうのなのですが、リビングスピーカーにすると入力や音量などが視聴位置からは分からないのが難点です。


デザインはクラシカルですが、サウンドは立派な中型モニタースピーカー。アプリなどこちゃこちゃした設定が苦手で繋げば音が出るアクティブスピーカーをお探しで、テレビ等に光接続できるならこのサイズと価格は立派と言うほかありません。


アバックの隠れ覆面レビュワー「ラビットBW」です。もしもネットでポチったらどうなるか?を一般消費者目線で忖度なしに「白黒」判定すべく自宅リポートします!
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通常価格:¥264,000 税込
¥200,000 税込
商品コード: 4305P
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