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[自宅レビュー!]
アクティブスピーカーシステム 「LSX II」

TVサイドのインテリアにベストマッチ!

中身もLS50Wiressゆずりの全部入り
●製品のポイント

・マイケル・ヤング&コンラン&クヴァドラがコラボ、至上のインテリアデザイン
・コンパクトなKEF流同軸2ウェイ[11世代Uni-Q]
・384kHz、DSD対応&HDMI ARC、USB-C対応の全部入り

●使ってみたら凄かった

・オーディオ製品とは思えない隙のないデザイン
・LS50のWiressから5年であっという間に進化した中身
・POPSからクラシックまで淀みないKEFサウンド

●こんな人には別モデルの方がいいかも

・メリハリの効いた、広がりよりも前面に音が迫り出し、輪郭の強い音が好き
 →アメリカンサウンドなJBL 4305Pも検討候補

・床置きで使いたい
 →トールボーイタイプのアクティブスピーカーLS60Wireless




ネットワーク&アプリで快適にホンモノサウンド

LSX IIのユニット構成は、19mmアルミニウムドームを囲むように中低域を担う115mmマグネシウムアルミニウム振動板が広がる2ウェイ。こだわりなく英国流で軽量かつ堅い素材を使いこなしています。ひとつの振動板のフルレンジと異なり、高域と中低域を役割分担して無理なく再生できるのと、高域と中低域の音源の中心が一点に集中している(点音源、ポイントソース)KEFのアイコンで、Uni-Qと呼ばれます。

LSX IIはアクティブスピーカーですので、すでにアンプ類が内蔵されています。高域には30W、中低域には70WのクラスDアンプを充てています。

アクティブスピーカー、パワードスピーカーに関してはこちらの記事でも特集しています。


音を出すのにほかのソース機器は基本的に不要。入力端子に直接ソースを送り込むだけです。ネットワーク(384kHz/24ビット対応)のほか、光デジタルとUSB-C(96kHz/24ビット対応)、さらにHDMI ARCも装備。説明書によればフォーマットも、WAV、FLAC、AAC、ALAC、PCMなどのほか、DSDに対応しているとあります。


左右のスピーカーは付属のLANケーブル(3m)で結びます。左右のペアリングは済んでいるので、物理的に繋げばすぐに音が出ます。

ただ、表示は、各種端子を備える「Primary」側に丸くて色と点滅で知らせるインジケーターしかないので、リモコンの十字キーで入力を切り替え、音量調整する以外の細かい調整は、スマートフォンやタブレットのアプリ「KEF Connect」に委ねられます。


このアプリを使うにはLSX IIと同じネットワークに接続する必要がありますので、つまり宅内LANとWi-Fi環境は必須ということです。しかし、何の苦もなく繋がりますしセットアップもカンタン、反応もスムーズで、わたしがLS50Wiress初号機時代に使った5年前とはずいぶん進化した印象ですから安心してください。



本体は、操作系が集まっている「Primary Speaker」(写真)とそこから信号をもらってもう1chを鳴らす「Secondary Speaker」で構成




「プライマリースピーカー」は初期設定ではRchですが、お宅の接続の便宜に合わせてアプリでワンタッチで変更可能。拙宅でもさっそく「L/Rスピーカー反転モード」ONにして、機器類がある左をプライマリースピーカーにしました。




声がスクリーン中央に定位

さっそくシアター視聴をしてみましょう。スクリーン前のAVラック上に置き、テレビ代わりのプロジェクターLG HU85LSの音声をLSX IIのHDMI ARC端子に流します。LSX IIはeARCではないので送り出し側のUH85LSの音声出力をPCMに切り替えるのをお忘れなく。

まず人の声を確認します。ニュースのアナウンサーの声が明瞭に定位すること、縁取りやよどみがなく全帯域でスムーズに音が広がるKEFの特性が、すぐに確認できました。拙宅のスピーカーKEF Reference5は120インチスクリーンの両サイドに置かれトゥイーターは耳の高さなのに対し、LSX IIはスクリーン下のAV家具の上に置いていますが、テレビ番組で音声を聴いている限りでは、音が下から鳴っている印象はなく、はじめて聴く人はReference5とLSX IIのどちらが鳴っているかほとんど分からないのではないでしょうか?それぐらい、KEFのUni-Qの放射特性のよさを実感できます。

サウンドの印象は、先にレビューした隈取りした力強いアメリカンサウンドのJBL 4305pとは、ある意味、真逆です。トゥイーターがコーン型ウーファーの中心にあるということは、ある意味ホーンのような構造とも言えるのですが、ホーン臭さは皆無。シャンパンカラーのデザインそのままの、高域にややアクセントがある華やかで拡がりのあるサウンド。低音も欲張らず、必要なときだけ顔を出す印象ですが、サブウーファー必須というほどでもありません。


また、設置位置や好みに応じて「KEF Connect」アプリの「EQ設定」で、実際に聴きながら音質のリアルタイム補正が可能です。

サウンドの印象は、先にレビューした隈取りした力強いアメリカンサウンドのJBL 4305pとは、ある意味、真逆です。トゥイーターがコーン型ウーファーの中心にあるということは、ある意味ホーンのような構造とも言えるのですが、ホーン臭さは皆無。シャンパンカラーのデザインそのままの、高域にややアクセントがある華やかで拡がりのあるサウンド。低音も欲張らず、必要なときだけ顔を出す印象ですが、サブウーファー必須というほどでもありません。

「エキスパートモード」では壁の反射や机上の反射の影響を補正する「デスクモード」「ウォールモード」のほか、KC62などのサブウーファーを外部接続したときの細かい設定も可能

なお、LSX IIには純正でアルミニウム製のS1フロアスタンドの外、B1ウォールブラケット、P1デスクパッドも揃っています。

ネットワーク再生 誇張感なくPOPSからヴォーカル、クラシックまでこなす

続いて、「KEF Connect」アプリでストリーミング再生を楽しみます。

Amazon MusicでK-POPやJ-POPを聴くと、女性のヴォーカルの帯域にほんの僅かにアクセントがあり、それが華やかに広がるサウンドを創っていると分かります。JBL 4305pがどちらかというと男声あたりにアクセントと輪郭を感じたのと好対照です。かといってサシスセソがキツくなるようなことは決してありません。

低音は、リビングでは普通ここまで上げないであろう、ウーファーが盛大に振動しているのが見えるぐらいまでボリュウムを上げてみても隈取りがない分、いわゆるEDM打ち込み&信号系のベースはやや控えめ。逆に、ズーンと沈むような響きが体に感じられます。特定の音域が前に出たりせず、部屋全体を淀みなくフラットに鳴らそうという志向は、イギリスらしい伝統の積み重ねを感じさせます。これはどちらが正解ということではなく、長らくスピーカーを作り続けてきたお国柄とメーカーポリシーの表れなのです。


次にApple Musicに切り替えてAirPlay2にして同様の曲を聴いてみると、こちらのほうが圧倒的にクリアでメリハリも効き、響きもよく聞こえます。ソースの違いまで明確に描き分けてしまうのもKEFの特徴。これがパワードスピーカーで表現できるのかと驚いた次第です。リビングオーディオ、コレで十分じゃん…いまハマっている最新のPOPS曲で泣けました。

アコースティックサウンドも、押しつけがましくない自然な音空間と響きで音楽に浸れます。ジャズピアニスト渡辺翔太の新譜「LANDED ON THE MOON」は、ドラムスやベースとの掛け合いが明るく楽しいのですが、時折Ruri Matsumuraのヴォーカルがふわり浮かび上がり華を添えます。




HDMI ARC 細かいニュアンス&ヒリヒリする緊張感を繊細な環境音で表現

そのままクラシック音楽を題材にしたサスペンス映画『TAR/ター』をUHD BDで観賞しようと、入力を「TV」に切り替え、プロジェクターLG UH85LSのHDMI ARC経由でソニーのUHD BDプレーヤーUBP-X800M2で再生します。

ベルリンフィルの主席指揮者に上り詰めたターを演じるケイト・ブランシェットのその時々の精神状態を表す吐息、手や服が触れる音、環境ノイズといったものが、最初は外面的に描かれています。しかし見ているうちに、観客はター(ケイト)目線で彼女といっしょに物音に驚き、イマーシヴに感情移入してしまいます。

オーケストラの大演奏シーンは実は少ないのですが、気配というか空気感、ターの居る空間の響きの違いをフワリと描くのが、LXS IIはとても上手いでんす。しかも、この12cm弱の口径で、場面転換に使われるクルマや電車、飛行機などの轟音が、とても自然で、しかも怖い。場面変わっての演奏シーンも狂気に満ちて素晴らしく、見る(聴く)たびに違うシーンで惹かれます。この作品は、JBL 4305pではサスペンス色強い映画に見えましたが、LSX IIでは環境音が投影する女性同士の心理的機微に意識が集中しました。映画って音だなあとの意識を改めて感じさせました。スピーカー選びは大切ですね。


リモコンはシンプルに入力のトグルで切り替えと音量上下




USB DACとしてデスクトップオーディオ。華やかな波面を描く点音源

KEFのユニットは同軸2ウェイのUni-Q。トゥイーターとウーファーの音の出所が一緒なので、縦一列に並んでいる(インライン配置)より位相特性の点などで有利とされます。もっとも、実際には人の耳は左右に並んでいるので、音源の高さの違いにはさほど敏感でないとされており、実際そういう研究結果もあるのです(『Perceptual movement of sounds moved up or down through multuway loudspeakers set up perpendicularly』2006、我妻悠、宮坂榮一)。もっとも、イマーシヴオーディオをお楽しみのアバックユーザーの皆さんならお分かりのように、無響室でもない生活環境で聴く限り、部屋のあちこちに反射した空間の音を聴くわけですから、やはり人間は聞き分ける能力があるというべきでしょう。


とくにデスクトップという試聴距離1mもない環境では、点音源(ポイントソース)のメリットは大きい。マスタリングなど、音作りを職業とされている方はとくに気にされるといいます。フルレンジにこだわるECLIPSE然り、ジェネレックThe One然りです。


USB C端子にMacBook Airでつなぎ、アプリAudirvanaで再生するシンプルなデスクトップオーディオを試してみます。

ドラムとマリンバらが紡ぐジャズアルバム「Spirit of Chick Corea(スピリット・オブ・チック・コリア)」では、くっきりとメンバーの位置を描くと言うより、やはりPCを中心とした球体のステージを形成して空間で描くイメージ。4305Pとはやはりある意味真逆の描き方は興味深いです。

そして抜群に得意なのは、弦楽器やピアノなど高域の倍音の自然な響きが音色を決定づけるような作品と、やはり女性ヴォーカル。エッジが立ったり特定の音が前に出たりせず、自然なハーモニーがとても音楽的です。トランペッターAlison Balsom(アリソン・バルサム)が教会でパイプオルガンをバックに聖歌隊とともに奏でる「人の望みの喜びよ」は、荘厳な教会の響きを空間で表現。岩崎宏美のカバーアルバム「Dear Friends V」は、LSX IIの特徴であるやや華やかな風味と相まって、聴く者の心をあたたかい気持ちにします。

なお、USB DAC機能としては96kHz/24ビットまでで、DSDにも対応していないようです。ネットワーク再生では対応するようなのですが、今回なぜか拙宅のNASを検出してくれなかったので、DSDファイルのレビューはお預け。ご了承ください。

デスクトップで使うときに机上での低音反射が気になる場合は、「EQ設定」のエキスパートモードで「デスクモード」オンにすると、低音を-10dBまで任意に低減できます。拙宅の環境では、オプションのデスクパッドP1を使わぬ机直置きでも、ベルリオーズ「幻想交響曲」(『ター』作中でリディア・ターが微妙に揶揄しているドゥダメル指揮LAフィル)を盛大に鳴らして不自然ではありませんでしたが、気になる方はお試しを。



ちなみにこのLSX II、微妙にやや上向きにスラント(仰角)しています。LS50はユーザーが正確に設置してくれることを想定しているのでしょうが、LSX IIのようなカジュアルにも向けた商品では、現実にはどこにどう置かれるか分かりません。そのあたりを察しての設計だと思われます。




インテリア3ブランドとのコラボ、でも中身は立派なハイファイ。広い空間一杯に響かせるリビングオーディオとして


小型ブックシェルフ、同軸2ウェイ、点音源だからニアフィールド──もちろんそう決めつけて購入いただいても期待どおりに働いてくれると思います。しかし、ちょっと高域にアクセントがあることから、リビングなどの生活空間にあるファブリックで若干高域が失われることも想定している気がします。テレビボードなどしっかりした家具の上に置いて、LDKの広い空間を優雅に鳴らすのがよいと思います。


英国の工業デザイナー、マイケル・ヤングのデザイン、デンマーク発No1ファブリックメーカー、クヴァドラ、ロンドン発インテリアショップのザ・コンランショップ仕様柄という、デザイン志向とも思えるこの「KEF LSX II Soundwave by Terence Conran」。正直、ここまで鳴ってくれるとは思わなかったので、LS50Wiressから5年程度でここまでアクティブスピーカーを仕上げてきたKEFには心底畏れ入りました。HDMI ARCを生かして大型テレビの両サイドに置き、音楽は好きなサービスでストリーミングを楽しむライフスタイルに好適と思います。比較的小音量でも、作品ごとのニュアンスをきちんと伝えてくれる正統派ブリティッシュスタイルのサウンドをぜひリビングに。

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通常価格:¥198,000 税込
¥172,260 税込
商品コード: LSX2BK
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