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覆面レビュワー「ラビットBW」です。専門誌や評論記事ではちょっとムズカシイ・・・そんな方のために実践的な“目の付け所”をユーザー目線で伝授します。

前回は、オーディオ機器を触ったことすらない音楽好きの人に向けたアナログレコード「スタートの指針」を提示しました。
今回はすこし踏み込んで、今後のアップグレードも見据えてコストパフォーマンスがいい組み合わせを具体的にモデルを上げながら考えていきましょう。


●本コラムのポイント
・令和のスタート地点。Bluetoothブルートゥースでも良いんです!
・無理なくステップアップ 無線から有線に 
・将来を見据えて・・・初期投資を無駄にしないために
■アナログの良さは、適度な“揺れ”が心地いいから!?
「フルオートプレーヤー」でも「マニュアル操作」できるものを選ぼう
一般論として、“アナログ”が人にとって心地いいのは、「毎回違うから」だそうです。これは実に含蓄のある言葉で、毎回確実に同じ味がするマクドナルドも嬉しいが、やっぱり手作りの味には勝てんよね、みたいな話かも知れません。「深夜は他の家が電気を使わなくなるから電源環境がいいから音がいい」とか、逆に「ちょっとワイン飲んでからが音がいい」と聴き手側の体調に原因を求める人もいます。

人間は測定器じゃありませんからいずれも真実だと思うのですが、それに加えて、使い手の感覚に合ったインターフェイスだって重要です。レコードをクリーニングして、ターンテーブルに載せ、手でトーンアームを移動させ針を落とす・・・。手で針を落とすのが緊張するならば自動でトーンアームが移動する「フルオートプレーヤー」もありますが、せっかくアナログをやるなら、マニュアル操作もできるような製品がいいですね。

■レコードプレーヤーは振動NG。スピーカー内蔵はダメ、絶対ダメ!
巷には、いきなりオススメの製品を紹介するアフィリエイト系のサイトが多いのですが、どうしてそれがいいのか明確な説明がないものがほとんどです。ちなみに、スピーカーも内蔵しているレコードプレーヤーもありますが、これは絶対NGです。レコードプレーヤーは、ビニールに刻まれた細い溝を辿る小さな針の細かい振動を拾うための繊細な装置。それ自体が振動してし舞いながら、音の波を出すなんて言語道断だからです。


■令和のシステムアップ・・・スタート地点から結構ハイクォリティ
まず、昭和のレコードプレーヤー再生環境(A)との比較で、令和のいまスタート地点として選ぶべきシステム(B)を改めて紹介します。

A昭和型 これまでの定説としてのレコード再生システム。いまのオーディオも基本的にはこの組み合わせ


B型令和 最新のお手軽システム。レコードプレーヤーとブルートゥースで繋いだスピーカーやヘッドホンのみ


いまはBでもかな〜り音が良くて驚きますよ!

その場合、レコードプレーヤーとスピーカーorヘッドホンの投資割合をどうすればいいでしょうか?最初から満足度高く、でもその後システムアップしても初期投資がムダにならないようにしたいですよね。

思うに、どんなにいいレコードプレーヤーを買っても、出力側のスピーカーorヘッドホン以上の音は出ません。ですから、アナログレコードの再生頻度があまり高くない人は、レコードプレーヤーに高額な投資をするよりは、その分、スピーカーやヘッドホンにいいものを選んだ方が長く使えるかも知れません。

たいていのアクティブスピーカーはBluetoothレシーバー内蔵です。JBL 4305Pも例外ではありません


ソニーのブルートゥースヘッドホンWH-1000XM5
■システムアップの段階的発展 無線から有線へ
「B令和型」から「A昭和型」に無理なく移行できるよう、アップグレードも見据えた投資マップはいろいろ考えられます。音楽好きなら、長い人生を通じて、長く使えるほうがいいですよね。

Bluetooth送信機(トランスミッター)内蔵レコードプレーヤーであれば、あとはBluetooth受信(レシーバー)機能を持ったスピーカーorヘッドホンがあれば済みますが、そういった製品はあまり多くありません。


オーディオテクニカのターンテーブルはカートリッジ付きBluetooth接続対応モデルを積極的にリリースしています。AT-LP120XBT-USBもその一例

それに、内蔵していないレコードプレーヤーでも、たとえばBluetooth送信機(トランスミッター)を追加する方法も。のちのちのアップグレードを考えると、きちんとしたアナログ出力を持ったレコードプレーヤーを購入し、当面1万円以下のBluetooth送信機と組み合わせるのもひとつの手でしょう。

最終的には、無線より有線のほうが通信が安定しているうえ、余計なデジタル変換・アナログ変換もない分、いい音で楽しめますので、そこを目指しましょう。
■フォノイコライザーって?
レコードプレーヤーが出力する信号は、基本的には針で拾った音そのままが出てきます。これはとても音量が小さいので、通常、フォノイコライザー(または昇圧トランス)で増幅し、CDなどほかのプレーヤーと同等の音量に引き上げる必要があります。

レコードの溝から信号を拾うカートリッジの種類には、大きく分けてMM方式とMC方式があります。使用するカートリッジに合ったものを選ぶ必要があるのですが、レコードプレーヤーに付属しているものは、たいてい高出力なMM方式カートリッジです。

その場合は、レコードプレーヤーからのフォノケーブルを、アンプの「PHONO」入力に繋げばいいだけ。アンプ側で適切な音量に増幅してくれます。たいていのプリメインアンプやAVアンプは、MM方式のカートリッジに対応した「PHONO」入力を持っています。

AVアンプCinema 70sの「PHONO」入力


ちなみにMC方式のカートリッジを使う場合は、対応するやや高価なアンプに繋ぐか、別途フォノイコライザーを購入する必要があります。MCカートリッジの多くは、高価な反面、一段と音が高品位なので、いつかは挑戦していただきたいところです。

もっとも、オーディオにこれから親しもうという皆さんがはじめて購入するような製品は、カートリッジが予め付属してしているうえ、このフォノイコライザーと同じ増幅機能も内蔵している製品が多いんです。そういうプレーヤーであれば、「PHONO」入力を持たないアンプでも、アナログ「LINE」入力に接続すれば、CDプレーヤーなどほかの再生機器とまったく同じように聴くことができます。

フォノイコライザー内蔵プレーヤーの信号なら、アンプ内蔵のアクティブスピーカーであっても、アナログ「LINE」入力に繋げばOK。ただし、レコードプレーヤーは通常RCA端子出力、アクティブスピーカー側はステレオミニ端子入力なので、変換ケーブルを使いましょう


KEF LSX II LTにはアナログ入力がありませんが、LSX II(写真)にはステレオミニ入力端子が付いていますのでこれを活用しましょう


というわけで、フォノイコライザー内蔵レコードプレーヤーは、CDやネットワークなど普通のプレーヤーと同じ。フォノイコライザーとカートリッジの相性で悩むこともないので、最初の一台としてオススメです。

たとえばデノンDP-300Fは、レコードサイズと回転数をボタンで選べば、あとはスタートボタンで自動再生、ストップボタンでアームが自動的に戻ります。MMカートリッジ付きでフォノイコライザーも内蔵しており、すぐ使えます。慣れてきたらマニュアル操作もできるような使い勝手も備えており、長く使える一台です。



■Bluetoothブルートゥースヘッドホンという選択
Bluetooth内蔵のレコードプレーヤー、または通常のレコードプレーヤーにBluetoothブルートゥーストランスミッターを外付けした信号を、Bluetoothブルートゥースヘッドホンで受ける方法もあります。

これも他のBluetoothブルートゥース機器と同様、レコードを手軽に再生する手段としては最右翼です。レコードプレーヤーから離れた場所でも、ヘッドホンのコードを気にせず聴けますからね。
いいBluetoothブルートゥースヘッドホンは、スマートフォンなどのデジタルデバイスとの相性も良く他の色々なソースを高品位に聴けますので、ヘッドホンをメインで使うなら、ぜひいいものを選びましょう。

■「B令和型」=無線から「A昭和型」=有線へステップアップ!
スピーカー派、ヘッドホン派、それぞれのBからAへのステップアップを考えてみましょう。

●スピーカー派 グレードアップへの道 [プリメイン or AVアンプ]
スピーカーで聴くのが中心という人ならば、プリメインアンプとパッシブスピーカーの本格的なオーディオコンポーネントにグレードアップするという選択肢があります。ホームシアターも楽しまれる方なら、AVアンプも全然アリですよ。

プリメインアンプの「PHONO」入力。写真はマランツModel50

プリメインアンプだけでなく、多くのAVアンプもMMカートリッジ対応の「PHONO」入力を備えています。音質も2chアンプと全く遜色ありませんし、ゆくゆくは大画面ホームシアターなんて夢も膨らみます!

●ヘッドホン派 グレードアップへの道 [ヘッドホンアンプ]
一方、ヘッドホン再生が主体の人なら、USB DACヘッドホンという選択肢もあります。フォノイコライザー内蔵レコードプレーヤーなら、アナログ「LINE」入力に直接繋げますから、他のデジタル機器と同様の高品質な音質で、アナログもヘッドホン再生が楽しめます。

たとえば、ティアックUD-505なら、置き場所を取らないコンパクトな筐体で、USBやBluetoothブルートゥースレシーバーとしての最先端デジタルソースに対応しながら、バランス接続での本格的なヘッドホンワールドにも一気に踏み込めます。

フォノイコライザー内蔵レコードプレーヤーDP-300FをティアックUD-505のアナログ「LINE」入力に接続すれば、ハイエンドヘッドホンでアナログを楽しめます


■新生活を機にアナログライフを始めよう!
いよいよ新生活。環境も変わりストレスを感じるとき、イイ音楽、さらに心潤うアナログサウンドは、きっとあなたに寄り添ってくれるはずです。無理なく手軽なところから始めて、手間暇かけるだけどんどんよくなるアナログの世界に踏み込んでみませんか?

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