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MAGNETAR 
ユニバーサルディスクプレーヤー「UDP800」[PART2:REAVON UBP-X200と直接対決編]
共通点多数あり
音作りと細かい使い勝手に大きな差が
覆面レビュワー「ラビットBW」です。今回も消費者目線で忖度なしに「白黒」判定すべく、自宅リポートします。

前回、UDP800の徹底分析を敢行。予想以上の出来に、すっかり虜になっているラビットBWですが、ここで気になるのはすでに生産終了になっている仏REAVONとの違いです。REAVON買った人は買い替える必要があるのか?REAVONを超える性能なのか??そこで、アバックにあったUBR-X200を拝借し、拙宅で直接対決!拙宅のソニーUBP-X800M2も交えつつ、リポートしてみたいと思います。



■スペックの共通点多数
ここでもう一度、MAGNETAR UDP800(297,000円)とREAVON UBR-X200(発売時定価330,000円)のカタログ的なスペックをざっとおさらいします。

[特徴]
●製品のポイント
・メディアテックMT8581チップ採用 ※REAVON UBR-X200と同様
・バーブラウンPCM1795DAC採用のアナログ2ch出力 ※REAVON UBR-X200の2chと同様。なおUBR-X200にはマルチchアナログ出力もあり、こちらもバーブラウンDAC
・DLNA対応(DTCP-IT非対応) ※REAVON UBR-X200と同様
・USB-DAC機能なし ※REAVON UBR-X200と同様



REAVON UBR-X200のトレーの開閉は、ワンクッション置いてからすーっと出てくる上品な感じ。リモコンでの操作もちょっとワンクッションあり落ち着いています。対して、MAGNETAR UDP800はすべての動作がサクサクと軽快です。


リアパネル。マルチchアナログ出力以外ほぼ同じ



MAGNETAR UDP800は小さいながらも4K UHD DSDなどアイコン表示もありどことなくパイオニアのBDプレーヤーを思い出させます。REAVON UBR-X200はわずかにグリーン寄りの数字のみの表示


REAVON UBR-X200のリモコン(左)はボタンが大ぶりでパナソニックのよう。ストップボタンを押さない限り各種ボタンが効かないのもMAGNETAR UDP800(右)と同じ


REAVON UBR-X200(左)とMAGNETAR 800を天面から見たところ。サイズ感はほぼ同じですが、重量感はREAVON UBR-X200(6.8kg)がベースシャーシが肉厚で天板が薄めなのに対し、MAGNETAR UDP800(8kg)は均等にシールドされている印象
■ネットワーク再生 締まって彫りの深いMAGNETAR、響きのREAVON
まずはREAVON UBR-X200で、DLNA経由で宅内NASのオーディオファイルを再生してみます。
MAGNETAR UDP800同様、曲間のポップノイズはあるものの、REAVON UBR-X200ではより抑えめなのはGOOD。

REAVON UBR-X200でBABYMETALを聴くと、高音域がややガチャガチャしており、全体的にやや腰高に感じます。柔らかめですが、低音域のドラムスやベースのリズムが曖昧になることはありません。ただ、割とシャリシャリな高音域ゆえに『4の歌』の3姫の声からは、MAGNETAR UDP800で感じたBABYMETALの強い主張はうかがえず、アイドルソングっぽく聴こえてしまいます。

オーケストラアンサンブルの奥行き感は、REAVON UBR-X200がMAGNETAR 800より出ますが、ホールトーンもかなり強めに出ます。

R&BのBell Biv DeVoe『Poison』は、REAVON UBR-X200では高音域がちょっとチャカチャカする一方、中低音も誇張感なく程よく、落ち着いたトーンで彫りが深く中低音が締まったMAGNETAR UDP800とは違いが如実です。Black Eyed Peas『Pump It』もウィルの声のサシスセソがややキツメ。
ただ、REAVON UBR-X200は、オーケストラで感じたホールトーンの響きがいいので、チャーリー・ヘイデン&パットメセニーの『Cinema Paradiso』のような流麗なバラードより一層エコーがかり、雰囲気は出ます。

REAVON UBR-X200で聴くアンドリス・ネルソンス指揮ボストン交響楽団ショスタコーヴィチ『交響曲第10番』は、明るくて軽快軽、響きが多めの印象。もともとわたしがこの作品に対して持っていたイメージは、むしろこんな感じだったかも知れません。奥行き感ある音場の中に、楽器の位置がふわっと浮かび上がっている印象です。MAGNETAR UDP800がそれぞれの楽器を定位感良く、しかも寄って深掘りする印象だったのと対照的です。


REAVON UBR-X200トップ画面。ロゴの配置などはMAGNETAR UDP800と似ています


REAVON UBR-X200のファイル再生画面。日本語表記もできているが、「ー(音引き)」のフォントや、文字の重なりといった緻密なところにMAGNETAR UDP800のような調整がほしい

■ハイレゾディスク再生 音像型硬派のMAGNETAR、音場型優しい解釈のREAVON
続いてハイレゾディスクを再生します。

DVD-AudioのDonald Fagen「The Nightfly」を、2chアナログ出力で聴きます。
REAVON UBR-X200で聴く『E.G.Y.』は、ゆったり円やかで優しい印象。個々の音よりも全体の雰囲気重視といった感じで、MAGNETAR UDP800の、ちょっとオシャレに決めた大人っぽい印象とは違って、カジュアルな服装を着こなしている感じです。決して下品ではありませんが、解釈としてはMAGNETAR UDP800が正しそう。

REAVON UBR-X200では、ROOT MENUがあるSEALの「SEAL Ⅳ」が掛からなかったので代わりを探します。
意外と合うかもと思い立って、中森明菜「SINGLES」を掛けます。聴き慣れたこのディスクに持っているイメージは、「ちょっと硬め」「音量上げるとキツメ」というもの。その点、UBR-X200ではかなり円やかになり、ビンゴ。ちょうどLPで聴いているような、ちょい低音域緩め&高音域がちょいシャリつく感じで、雰囲気が合うんです。やはり全体の音場重視といった感じで、明菜の声はやや奥に引っ込みます。『セカンド・ラブ』はとくにエコーが強調され気味で、ドラムスのスティックだけがやたら前に出ます。声が前に出て良く定位するMAGNETAR UDP800とは違う聴かせ方だと思います。

なお、SACDはいくつか掛けてみたのですが、いろいろ設定をいじってみてもなぜか正しく再生できず、諦めました。

総じていえるのは、かなりバーブラウンっぽい骨太感あるMAGNETAR UDP800に対して、REAVON UBR-X200は響きが長くややハイ上がりで雰囲気重視の心地よく聴かせるイメージ。クラシック寄りの人が聴くのに相応しい、聴感や音響心理の音作りをしているのではないかという印象でした。


REAVONマルチchアナログ出力の設定画面

■HDMIで音楽ライブ 立体感と押し出し感あるMAGNETAR、ふわり包まれるREAVON
HDMIでもMAGNETAR 800と同条件で視聴します。AVプリのヤマハCX-A5200(ピュアダイレクト)に繋ぎ、KEF Reference5を中心とした4.1.2のマルチチャンネル再生とし、プロジェクターはLGの4K超短焦点レーザーUH-85LS(HDR10対応)、スクリーンはキクチの耐外光専用SPB-UT120です。

まずライブステージ映像に2KBD「SOUND STAGE Peter Cetera with Amy Grant」(DTS-HDMA5.1)を選択します。
REAVON UBR-X200の音声は、刺々しさのないリラックスした音調。普段拙宅で使っているソニーUBP-X800M2の印象に近いものの、もう少し艶っぽいピアノや金管が通る印象。MAGNETAR UDP800のような押し出し感は控えめで、むしろ弦楽器の作る音場にふわりと包まれる感じやホールの奥行きをうまくまとめている感じがあり、遠目でリラックスして聴く感じです。

REAVON UBR-X200の映像は、MAGNETAR UDP800に全体的には似ています。ただし、MAGNETAR UDP800がアップになった人の肌の毛穴まできめ細かく解像するようなキレを追求する方向なのに対し、REAVON UBR-X200は化粧している演者をキレイなトーンで見せる感じ。引きの絵での絨毯の柄などはややジリつきますが、これぐらいが普通で、MAGNETAR UDP800が優れているだけしょう。

また、REAVON UBR-X200は、全体的にMAGNETAR 800よりも白に寄っている印象で色も僅かに薄めですが、プロジェクター側の調整できる範囲。厳しい目で見ると、ハイライトや動きのあるシーンで若干ジリつくところも。繰り返しになりますが、これがソニーUBP-X800M2で普段見慣れている絵です。


REAVON UBR-X200の出力解像度。MAGNETAR UDP800のような「ダイレクト」がない
■4K Blu-ray 説得力あるMAGNETAR、どこまでも優しいREAVON
次に4K Blu-rayで比較します。

「トップガン マーヴェリック」(Dolby Vision→HDR10、Dolby Atmos)では、MAGNETAR UDP800を聴いた後ですと、REAVON UBR-X200の低音域が緩く感じます。音量を上げても、量が膨れてしまうだけで、キレの点でもの足りなく、恐怖感はあまり感じません。

ポール・ヴァーホーベン「ベネデッタ」(DDolby Vision→HDR10、DTS-HDMA5.1)。教会に響くサウンドは、サスペンスフルに響かなければならないのにどこか牧歌的。聖歌が教会に響く暗音や雷鳴など怖いのは断然MAGNETAR UDP800のほうです。映像も、REAVON UBR-X200は、普段ソニーUBP-X800M2で観ているのと3〜4倍の差があるかといわれれば疑問です。MAGNETAR UDP800のようなハイライトでブルーが強調されることはありません。

ケイト・ブランシェット主演の「TAR/ター」(HDR10、Dolby Atmos)でも、REAVON UBR-X200はMAGNETAR UDP800に比べると、全体的にやや明るくブルー抑えめで暗部も茶に寄っており暖色系。サウンドも、REAVON UBR-X200はオーケストラのアンサンブルの奥行き感と滑らかな音色が印象的で、暗騒音も含めて怖いMAGNETAR 800とは対照的です。

フィルム素材映画も観てみましょう。こちらは大きな差が。
4K Blu-ray「レオン」(Dolby Vision→HDR10、Dolby Atmos)では、フィルムグレインが割と盛大に出てくれて、私たちが元々持っていたイメージ通り。一方、サウンドは柔らかく薄口で、MAGNETAR UDP800がドラマティックに聴かせたセリフや銃撃の迫力よりも、上品なバックにばかり耳が行きます。エリックセラのサウンドトラック、エンディングのスティング『Shape of My Heart』の紡ぐギター、ハーモニカはどこでも優しく美しく響きます。こういうのはREAVON UBR-X200は実に上手いですね。

香港映画「インファナル・アフェア」(HDR10、DTS-HDMA5.1)は、基本的にセリフと煽るようなBGM中心のドラマで、音数は絞られています。にもかかわらずこうしたアクション映画では、MAGNETAR UDP800のようにセリフやアクセントになる音のキレは、REAVON UBR-X200では抑えめで、音は柔らかめ、いくぶん膨満気味です。

総じて、普段拙宅のソニーUBP-X800M2で再生しているイメージと大きな落差はなく、映像もサウンドも、無理せずバランス良く、ノイズもグレインもそのまま出している印象です。

■MAGNETAR UDP800の魅力を更に痛感


論点は、MAGNETAR UDP800とREAVON UBR-X200の実力差。まず音ですが、クラシック寄りのフワリとしたサウンドが好きな方以外は、MAGNETAR UDP800の方が映画も音楽も幅広く彫りの深い音で楽しめます。また、REAVON UBR-X200の映像はソニーUBP-X800M2よりSNは一日の長有りといえなくもありませんが、MAGNETAR UDP800とは解像度、色数、彫りの深い描写力の点で作り手の気合いの差を感じ、実際のクオリティでUDP800は大きく上回っていると感じました。

視聴を終えて拙宅のソニーUBP-X800M2に戻したときの落胆たら・・・。実はノーマルではなくていくつかチューンが施された個体なのですが、映像は薄い膜が被ったかのようで、サウンドも緩め。これまでよく頑張ってくれたと思いますが、さすがに古さは否めません。尊敬する御大かないまるさんの息が掛かったモデルで思い入れもあるのですが、リビングにあるレコーダーのDTCP-IT視聴や別リージョンディスク再生用のセカンド機になる日も遠くなさそうです。はあUDP800欲しい・・・。

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¥297,000 税込
商品コード: UDP800
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