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覆面レビュワー「ラビットBW」です。今回も消費者目線で忖度なしに「白黒」判定します。


今回は、「アバックヘッドホン横浜店」道場破りの[Part4]。[Part1]でスタックス、[Part2]でレビンソンとB&WのBluetoothヘッドホン。[Part3]ではグラドとベイヤーをレビューしました。

今回は、「ヘッドホン横浜店」でも試聴の要望が多いという、定価495,000円(税込)のヤマハのハイエンドヘッドホン「YH-5000SE」を聴いてみました。以前レビューしたワイヤレスホームシアターヘッドホンYAMAHA「YH-L700A」の記事とも比較しつつお読みいただければ!
■ヤマハのフラッグシップ「5000シリーズ」

「YH-5000SE」は、ヤマハが妥協なしに理想の音を追求したフラッグシップ「5000シリーズ」のヘッドホン。ターンテーブル「GT-5000」、プリアンプ「C-5000」、パワーアンプ「M-5000」、スピーカー「NS-5000」の後に追加されました。

 
いずれも「TRUE SOUND」と呼ぶ、アーティストが音楽に込めた想いをありのままに表現することで、聴く人を感動させる音作りを目指したといいます。その中核は、ヤマハが1970年代に生みだし独自の平面振動板技術を再構築した新開発した50mm薄型ダイアフラムを搭載した「オルソダイナミックドライバー」。果たしてそのサウンドは?

試聴は「アバックヘッドホン横浜店」で、ティアックのヘッドホンDAC「UD505X」とバランス接続して行いました。

■艶やかに響くアコースティックサウンド。圧倒的ワイドレンジ

ひとことでいうと、全方位型にウケるサウンド。たとえるならば、綺麗ですらっとした薄化粧の美人さんです。とくにアコースティック系の再現が上手く、楽器の生産も手掛けるヤマハ掛川工場での手作りというのも納得です。

たとえばジャズ。

チック・コリアのトリビュートアルバム「Spirit of Chick Corea」の2曲目『Crystal Silence』では、透き通ったリチャード・ストルツマンのクラリネットが澄み渡り、倍音の表現力、すなわち正確な位相管理が窺えます。LRのchマッチングが厳格に管理されているのではないでしょうか。

ジャズピアニスト上原ひろみのアルバム「Vioce」から『ラビリンス』を聴くと、ヘッドホンでは珍しい、ズーンとどこまでも低域が伸びていくアンソニー・ジャクソンのベースの響きに驚かされます。高域も低域もたいへん伸びがありますが、いわゆるドンシャリ感は皆無。定位が素晴らしく、サイモン・フィリップスが叩く各ドラムの位置が明瞭で、自分の頭のツボを正確にポコポコ叩かれているかのよう。まさにヘッドホン試聴の醍醐味です。

クラシックは、さすがヤマハの真骨頂。上品な音色に思わずうっとりします。たとえば、アリソン・バルサムが教会で鳴らすトランペットアルバム「Trumpet Concerto in D Major」は、唇の震えや古楽器の少しかすれた感じまで繊細に表現。音量を上げていくと、歪むかどうかギリギリの危うい領域まで難なく踏み込んできます。

楳図かずお「闇のアルバム」『わたしのふるさと』のようなほぼド演歌の男声も、中域に厚みが出て帯域バランスもいい。こういった小編成もうまくまとめます。
もっとも、今流行のPOPSもノリよく再生します。たとえば、BTSジョングク『SEVEN』やNew Jeans『Ditto』のようなDTM打ち込み系はクリアで、ベースラインも心地よく聴けます。

もっとも、今流行のPOPSもノリよく再生します。たとえば、BTSジョングク『SEVEN』やNew Jeans『Ditto』のようなDTM打ち込み系はクリアで、ベースラインも心地よく聴けます。
■最後に映画を。ステレオヘッドホンらしいダイレクト感!

これほどのヘッドホンですから、映画も楽しめるのでは?そこで、宇宙人が地球を侵略してくる重低音が激しい『宇宙戦争』を視聴します。

もちろん2chでの再生は、チャンネルが少ない分、かえってその場面で焦点が当たるべき部分が明確になる面白さがあります。とくにヘッドホンの場合、ダイレクトかつダイナミックに浮き彫りにするように思います。
本作でも、濃厚なセリフ、急に脇から飛び出してくる物体や、ワッと燃え上がる炎、人々の間を縫って疾走する車、大きな爆発音など、仰け反るほどの迫力が味わえます。サラウンドヘッドホンやバーチャルスピーカーの類いでは、こういったダイレクトな表現は難しいのではないでしょうか。

こうした2ch視聴でいちばん嬉しいのは、妙な逆相感がないこと。マルチチャンネルシステムを持っておらず、2chステレオのみで聴くユーザーでも、ホームシアターが十分楽しめます。
「YH-5000SE」では、車のボンネットを道端の人々が叩く音、車の屋根にあたる雨音のリアリティでは、ATMOS再生環境の整ったマルチチャンネルスピーカーのホームシアター視聴には及びませんが、“ヤツ”が迫ってくるときのブォーンという音、背景のオーケストラの不協和音、地下室で“目”が迫ってくるときのビヨーンという電子音は、サラウンドでは味わえない近接感が逆に不気味でもあります。


装着感についても、大がかりな見た目に比して軽快、撚れることもなく安定しています。イヤーパットも羊レザーとスエード合皮を選べます。頭頂1点と側圧で押さえるタイプですが、側圧感控えめで日本人の頭にも合います。


調整箇所はラッチ式ではなく、上下の無段階の昇降式。シンプルですが、高級感を感じられるトルク感が魅力的です。
■結論 ジャパンハイエンドのお手本。オープンエア型における一つの完成形


ムダな装飾もなく、機能美をそのまま形にしたデザインは、昨今のオーディオ製品群の中にあって潔く映る「YH-5000SE」。ジャパンメイドのクオリティとそれを所有する満足感。AV機器の『ヤマハサウンド』をしっかり受け継いだ非凡な音作り。今回の「ヘッドホン横浜店」道場破りでは正直注目していませんでしたが、ヤマハの本気度が窺える逸品。誰もが欲しくなる1台ではないでしょうか。

アバックの隠れ覆面レビュワー「ラビットBW」です。もしもネットでポチったらどうなるか?を一般消費者目線で忖度なしに「白黒」判定すべく自宅リポートします!
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通常価格:¥495,000 税込
¥395,850 税込
商品コード: YH5000SE
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