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製品インプレッション 4Kディスプレイ
革新的な黒。LG Electronics 65EG9600 オーディオビジュアル 評論家 潮 晴男氏
次世代を担う自発光デバイスの最有力候補とされてきた有機EL。大型化が難しくライバルが次々と姿を消す中、LGが待望の製品を発売した。独自開発のWRGB方式を持つ曲面ディスプレイの4Kモデル55EG9600と2Kモデル55EC9310に続きリリースされた65型の65EG9600を紹介する。

WRGB方式とは、RGBの三原色の蛍光体にW=白色の蛍光体を加えたもの。サブピクセルも含めると、3,300万個の素子を独立して発光できるため、精細感のある映像の描き出しとともに、高い輝度が可能になる。また、有機ELは原理的にLCDパネルのような光漏れがなく、最暗部から白側のピークまで一気に描き切るうえ、パネルの前面には偏向フィルターしかないので、極めてトランスペアレンシーに優れた映像を再現できるのも大きな特長だ。

パネルが最薄部約6mmという極薄なのも、バックライトや偏光板を必要としない有機ELの大きな強みである。65EG9600は、スタンドを除けば約21.7kg。同サイズの薄型LCDディスプレイに比べ、軽量化が進んでいることがわかる。また、大型化するほど画面の中央部と周辺部に視野角差が生じるという理由から、自由な形状を創出できるこのパネルの特性を生かして人間工学から割り出した5,000Rの曲面ディスプレイを採用した。

コントラストレンジが広く、暗部階調や色再現性に優れることから、65EG9600は、来るべきUlrta HD blu-rayの映画ソフトや音楽ソフトを視聴するホームシアターに最適なモデルといえる。加えて、地デジやBS放送はもちろん、スマートテレビとしてNetflixやYouTube、「ひかりTV4K」などのネット配信にも対応しているので、家族の誰もが簡単に高画質の番組を楽しむ情報ツールとしても申し分のない働きをする。また、次世代ディスプレイの要件として注目を集めるHDR(High Dinamic Range)にもダウンロードによるバージョンアップで対応する。

空撮映像の2本の
ヘッドライトを解像する!

それでは、BDソフトと4Kレコーダーを用いて、このモデルの印象をお届けしよう。

BDの映画ソフト「オブリビオン」の、ジュリア役のオルガ・キュレリンコとジャック役のトム・クルーズのお馴染みの会話シーンでは、着衣や小物類のテクスチャが質感豊かに描き出され、背景に広がる山並みや木々の遠近感の表現には目を見張る。フェイストーンも血の通った表情を伝えて偏りがない点も申し分ない。

4Kのオンエア映像を録画した「東京夜景」では、ビル群の照明が一つ一つ描きだされるのはもちろん、路上を走行する車のヘッドライトがきちんと二灯に分かれて見えたのには驚かされた。この映像は空撮ということもあり、地上を見下ろした時の高さ方向の距離感は3D視聴に近い立体感で魅せるが、瞬くネオンの色彩感や、暗闇に浮かぶ森の様子を潰れることなくしっかりと描き切っている点にも感心させられた。

65EG9600には、プリセットされた映像モードが9つ用意され、様々な環境に応える。中でも、色温度7~8,000度に設定された「シアター1」と6,500度の「シアター2」は、良く作り込まれたモードだ。リビング環境では「シアター1」、全暗環境では「シアター2」がオススメである。

内蔵された2K→4Kのアップコン回路もいい出来なので、パナソニックのBDレコーダーDMR-BZT9600を所有するユーザーなら、レコーダー側の4K出力と比較してポテンシャルを探ってほしい。

シンプルなデザイン、薄型のフレーム。徹底して無駄を削ぎ落としたこのモデルを全暗環境で観ていると、まさに映像だけが眼前に広がる。ぜひとも新世代ディスプレイの映像を体験してほしい。

進化ポイント
Key Device1
Key Technologie
ランチャー画面を観ながら、空中マウスの進化形無線リモコン「マジックリモコン」片手に、離れた画面をスマホ画面のようにフリスクして操る快感は随一といえる。
新採用DSP chip
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