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製品インプレッション プロジェクター
待ち望んだ4Kバリューモデル新自然派
この秋は久々にプロジェクターの新製品が各社勢ぞろいし、AVファンは心をときめかせていることだろう。中でもエプソンEH-TW8300Wはこれまで価格がネックだった4K映像の大画面を一気に身近な存在にすること必至。これからホームシアターを始めたい人はもちろん、買い替えを考えている人にとっても待望の新製品である。
4K化のためにすべて新設計。
HDR対応に注目

直視型ディスプレイの世界ではすでに4Kモデルがスタンダードになりつつある一方で、プロジェクターは今一つ高嶺の花にとどまっていた印象があるが、それもエプソンのEH-TW8300Wの出現で大きく変わると思う。 このモデルの特徴は何といっても0.74型のフルHD透過型液晶パネルにエプソン流の画素ずらし技術をプラスして4K映像を可能にしたことだ。光軸を屈折しフレーム単位で画素を半分斜め方向にずらす高度な技術で実現している。しかも、今を時めくHDRへの対応を果たし、新しい広色域規格BT.2020の映像表現も可能にした。UHD BDはHDR10と呼ぶ規格に沿って映像を再現するが、プロジェクターは直視型と違って画面サイズは固定ではないから、輝度出力によってはハイライトが飽和したり、逆に暗部階調は申し分なくても明るさが不足する事態を招く。そこでこのモデルでは500nits(nitsは明るさの単位)、1000nits、4000nits、10000nitsのHDRモードを用意し、作品に応じてダイナミックレンジを切り換えできる。もっとも、初期設定は1000nitsの「HDR2」モードにセットされているし「オート」を選べば「HDR2」とBD用の「SDR」モードへの自動切り換えになるので神経質になる必要はない。

高解像度化とともに光出力と色再現性の向上を図るため、光源となるランプも一新。光源をRGB成分に分光するダイクロイックミラーも新たに開発することで、DCI、AdobeRRGBを100%カバー。レンズも4K化に合わせて新型が搭載されている。筐体は前作のTW8200Wに比べ一回り大きくなったが、上下96%、左右47%のレンズシフトが電動化。ズーム機能とフォーカスの調整も電動になり、使い勝手が向上している。

また後付でプロジェクターを設置する場合もっとも懸念されるのがケーブルの通線だが、このモデルでは4Kワイヤレス伝送を実現してそうした問題をクリアーしていることも大きな特徴である。

HDRの映像は100インチのスクリーンを基準に追い込んであるということなので、このサイズが一つの目安になるが、それ以上でも画質は保たれているので既にスクリーンを設置済みのユーザーにも安心して使ってもらえると思う。







明るく高S/Nの4K映像。
優れた暗部の階調と色再現

ではさっそく映像を観ていこう。4Kのメリットは、まずUHD BDで発揮される。S/N感が高く、暗部階調もよく描き分けるし、低輝度部の色再現性に優れていることがよくわかる。フェイストーンはいくぶん赤味が感じられるものの、健康色なのでフレッシュな印象だ。BDも基本的な方向性は同様。4K映像へアップコンバートをソース機器側で行うかプロジェクター側で行うかで若干ニュアンスが異なるものの、丁寧な描写力は一貫している。  なお、ワイヤレス伝送の場合、4KのHDR作品はBD、4K放送ともに24p再生に限定されるので、できれば18Gbpsに対応したHDMIケーブルによる接続も行いたいところ。ともあれ、ワイヤレス伝送でも4K/60pの映像が映らなくなるわけではなく、4:2:0の8ビットで伝送されるので、この点さえわきまえれば、むしろ煩わしさから解放されるメリットのほうが遙かに大きい場合もあると思う。

「ブライトシネマ」モードの汎用性の高さも、このモデルがリビングで広く受け入れらえる由縁である。入門層から本格派まで幅広いユーザーの期待に応える、懐の深い4Kプロジェクターの誕生である。

EPSON EH-TW8300W

EPSON EH-TW8300W

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